大鐘玄之
経済学部/札幌南(北海道)
「大園桃子卒業」
この6文字を何度眺めただろう。
私は失意のどん底にいた。そこを這いあがろうともしなかった。いや、這い上がることが出来なかった。涙は枯れ、髪も抜け、目も開けられない。ただここで命が尽きるのを待とうとまで思った。
そんな死に人とまで言える私にふと一筋の光りが差し込んだ、ハンドボールだ。手につく松ヤニの香り、赤白に彩られたゴール、そして周りにいる仲間。その全てが私の五感を刺激した。気付けば、ハンドボールに夢中だった。
『もうこいつとは悲しい別れをしたくない、後悔を残したくない』そんな想いで彼は今日もコートに立つ。
0コメント