2022年春リーグ vs龍谷大

2022/5/15 春リーグvs龍谷大
○大阪大36-29龍谷大●
春リーグ最終戦、4回生にとってはハンドボール部としての活動を締めくくる最後の一戦。対するは秋の大会で敗れた因縁の相手、龍谷大。勝って有終の美を飾りたい大阪大だったが、試合を目前に控えた5月上旬、思わぬ報せが舞い込む。
4回生1名、3回生2名、2回生1名が新型コロナウイルスに感染ーーー。
唯一のGKを初めとした主力選手の離脱を余儀なくされた大阪大は試合3日前の練習で、2回生矢延を臨時のGKに据えて最終戦に望むことを決断する。一心に勝利を目指してきたチームの命運も尽きた様に思われ、試合の目標は、「勝つこと」から「最後まで大阪大らしいプレーをすること」へと変わろうとしていた。
そのような中で迎えた試合は大方の予想に反し、大阪大の2連取で幕を開けるが、その後は追加点を奪えないまま、龍谷大に4点を取られ逆転を許してしまう。万全のチーム状況でないとは言えど、早々に試合を決められるわけにはいかない。傾きかけた流れを引き戻したのは、これまで先頭に立ってチームを引っ張り続けた主将、山﨑だった。群がる敵をものともせず、鍛え上げた強靭な肉体を武器にゴールを奪う。すると、共に数多の困難を乗り越えてきた盟友、山﨑の奮闘に応えるように同学年の山本が熱いプレーを見せる。DFの司令塔としてコート上に君臨するその姿は気迫に満ち、一切の敵を寄せ付けない。4回生コンビの攻守にわたる活躍を前にして、急遽GKに入った2回生矢延も必死にボールに喰らいつき、ゴールを死守する。とはいえ2部上位の実力を持つ龍谷大と、主力選手を欠いた大阪大とでは、埋められない力の差があった。徐々に点差は開き、前半19分には5点差をつけられてしまう。ここで大阪大ベンチはタイムアウトを取得し、形勢の立て直しを図る。奇しくも前日に第1子が誕生した山梨監督に、プレーの指針を示してもらったことで落ち着きを取り戻した大阪大は、持ち味の粘り強さを存分に発揮し、追い上げを見せる。前半を終えた時点でのスコアは12-13。もはやチームの誰もが「勝つこと」を強く望んでいた。
逆転に向けて主導権を握りたい後半。試合の流れを左右する最初の得点を挙げたのは、これまでチームに暗い雰囲気が漂うたびに、光をもたらしてきた“北陸の一番星“こと4回生の飯沢。相手DFの視野外から鮮やかなゴールを決める。ベンチの盛り上がりも最高潮に達し、勢いづいた大阪大の異様な雰囲気は相手を呑み込む。その後逆転に成功した大阪大は試合の主導権を握り、焦りを隠せない相手を尻目にリードを広げていく。大阪大らしさが随所に光った試合の中で、山﨑、山本、飯沢ら4回生の繋いだ想いを受け取ったのはハンドボール部の未来を担う3回生。中でも“香川の至宝“こと藤澤はこの試合、3連続得点を含む11得点を挙げて圧倒的なOF力を見せつけた。かくして試合は36-29で大阪大の勝利に終わり、4回生は引退の時を迎えた。
渾身の力で放つシュート、ゴールポストにボールが当たる甲高い音。直後、湧き上がる歓声、鳴り響く2度のホイッスル、喜ぶ仲間の笑顔。4回生はこの試合を最後に引退するが、そのどれもを忘れることはないだろう。語り継がれるような劇的な勝利を置き土産にコートを去っていく4回生。それを見送る下回生の眼差しは、尊敬の念と次代への覚悟に満ち溢れていた。

【得点】
藤澤11 大沼8 山﨑6 上田3 飯沢3 加治2 松本2 山本1
この度の試合で春季リーグ最終試合となりました。今回も多くのOB、OGの方々にご声援頂きありがとうございました。4回生は今大会をもちまして引退となりますが、今後も1部昇格を目標に練習に励んで参りますので、変わらぬご声援のほどよろしくお願い致します。

【古久根】

大阪大学ハンドボール部

大阪大学男子ハンドボール部公式HP

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